2013年9月7日 昼
3日目後編になります。
アメリカ合衆国一周を達成するため、シアトルから走りだしてからわずか3日。
ロサンゼルスにて早くも旅のクライマックスとなるスペースシャトル”ディスカバリー号”やノースロップ社幻の試作ステルス戦闘機”YF23”2番機(S/N 87-801:gray ghost)を見学し、半日で個人的にミリ分はかなり満たされつつあった。
しかし、この旅では可能な限りアメリカの超兵器を見尽くすことが目標でもある。
大都市ロサンゼルスにはいくつかの航空機博物館があり、二次大戦から現代まで、ほぼ全ての機種が揃っていると言っても過言ではなかった。
だがこと航空機に関しては、旅の後半でアメリカ最大級の航空機博物館に立ち寄る予定だったので、未だ足りてない成分、つまり「海」分を摂取しに行くことにしたのである。
そこで当時(2013年夏)流行りだしていた「艦これ」に思うところがあった私は、ロングビーチに展示されているアイオワ級戦艦BB61「アイオワ」を見に行くことにした。
戦艦「アイオワ」
アイオワといえば現存する世界最大の戦艦でアイオワ級のネームシップ。見る価値は十分にあると判断。また2012年公開のハリウッド超娯楽大作「バトルシップ」に出てくる戦艦ミズーリの姉妹艦でもあります。
↑ YF23からアイオワまで車で18分。近い!海沿いの道でドライブも楽しいので是非立ち寄ることをオススメします。
I'm at @USSIOWA BB-61 (San Pedro, CA) http://t.co/eJJdnyCfGq
— tom (@kt_taper) 2013, 9月 7
到着してみると、アイオワ博物館(中に入れる)も既に閉館時間近かったのと、金払うのが癪だったので外から撮影、これで十分でした。ちなみに戦艦目の前にある巨大な駐車所に止めると金がかかるので、その辺の道に路駐するとタダ(路駐可のエリア)。治安はまあまあな感じだが良くは無いと思った。
海沿いの大きい道路から入って直ぐにこの光景。とにかく長いのが印象的。当たり前だけど超デカイ。駐車所もアイオワ級。
取り敢えず自撮りしてみましたが、長い。
埠頭はフェンスで囲まれており、正面から撮影しようとしたもののちょっと厳し目でした。アイオワ級の細長さを体感するには、ノーフォークのアイオワ級戦艦ニュージャージーを推奨。
入場口には人影は見られず、また施設も簡素そのもの。盛り上がってる雰囲気は全く無い。
意外と駐車場と戦艦の距離が近いため、車を降りると目の前に16インチ砲塔がドーン!!
特に目立った物があった訳ではなかったが、この後何度も目にする謎の像とのファースト・コンタクトを果たす。
諸元は以下のとおり(wikiより)
排水量 | 基準:48,500トン 満載:57,450トン | ||
全長 | 270.43m | ||
全幅 | 32.97m | ||
吃水 | 10.69m |
長さで言えば大和より大きい。70年以上前に大和と戦うために作られ、依然健在と思うとなかなかクルものがある。
16インチ砲は遠目に見る分には思った程巨大には感じられなかった。が、船体が長大なので縮尺的にそう感じただけかもしれない。
ちなみに現地はそこそこ整備されているもののひっそりとした埠頭であり、半ば存在が忘れられているかのような場所であった。
アメリカには珍しく、現場には綺麗な公衆便所があった。歩道も横田基地の歩道のようにキレイ。しかしこの便所、何故かNATOの意匠が描かれているような気が…
さらにファンシーなトラムが走っていたり、観光地感はあるにはあるが、如何せん人が少ない。
これを見終わったのちロサンゼルスを後にすることとなるが、個人的にはロングビーチの町並みが結構良かった。
突然現れる巨大な星条旗。この時間帯の道路は結構混んでいた。
2週間くらい前に見た映画『Not fade away』に出てきてたような感じの楽器屋
1ドルショップ
どんどんドーナッツロングビーチ店など(適当)
そんな感じで適当にブラブラして出発。I5を南下、サンディエゴを目指す。
と言ってもロサンゼルス都市圏の車の多さは半端無く、片側5車線?とかの超巨大高速道路の渋滞が結構続く。
↑多分海兵隊の基地。
途中いい感じの海岸線に出つつも海兵隊基地があったりで片手操縦片手撮影を頑張る。この辺からスピード出しまくるようになる。
サンディエゴの空母「ミッドウェー」
腰痛と闘いながらも走ること約2時間、頑張りまくって何とかSan Diego到着。6時くらい。ほぼ日は沈んでた。
I'm at @USSMidwayMuseum (San Diego, CA) http://t.co/CtSAfjj3pG
— tom (@kt_taper) 2013, 9月 8
ミッドウェーの直ぐ近くの駐車場に何とかとめ、外周をまわる。サンディエゴは坂が多く、なかなか良い街に見えた。
アイオワでも見かけた謎の像。しかし今回は10m以上の巨体。
調べてみたら、「Kissing the War Goodbye」というタイトルの戦勝の写真が元ネタだとか。
これがアメリカ中の戦艦や空母の周りに隠しアイテムよろしく配置されまくっている訳ですね。
ミッドウェーのデッキにはアグレッサーF18なども見られ、航空機の展示はかなり充実してる模様。
70年ちかく前の船にも関わらず、非常に存在感のある船だった。
ミッドウェーが停泊している対岸には、CVN70カール・ヴィンソンと見られる空母が停泊していた。
あたりが真っ暗になると、満艦飾のような派手な電飾を見ることが出来る。
また裏手には巨大な駐車場があり、駐車場内でナイトパーティーが開かれていた。
2013/9の段階で大人$19(現在は$20に値上された模様)
正直ホーネットより高いが、展示内容はかなり充実しているの妥当と思われる。
次は是非乗船してみたい。
ミッドウェーを見終わる頃には日も完全に落ちていて、これ以上進みたくない感マックスだったが、東海岸目指すと決めた以上進まなければならないので進む。サンディエゴはアメリカの南西端なので、これ以降はひたすら東進して大西洋を目指すことになる。
I5からI8へと接続し、ひたすら東進。途中流石に何度か給油&休憩を挟んだのだが、その中でも特にヤバかったレストエリアを紹介したい。
ヤバすぎるレストエリア
サンディエゴを出て数時間すると、砂漠に突入する。
砂漠に入ると、とたんにレストエリアもEXITの数も減る。しかしトイレはどうも突然行きたくなるもの。次にいつレストエリアが出現するともわからないので、道の真ン中という分かりやす場所にあったレストエリアに車を止めた。
ちなみにこの時すでに夜8時くらい。辺りは勿論真っ暗で車の通りのかなり少なくなっていた。
このレストエリアの何がヤバかったかというと、まずトイレがボットン。しかも異様に臭い。男女共用。内部はハエが異常なほどたかっていて非常に厳しい状態だった。
4sqのレビューにも記されているが、可能なら次のレストエリアに行くことを強くオススメする。
しかしそれ以上にヤバかったのが、その雰囲気。上のGマップを拡大すると分かるのだが、I8は基本的に貨物鉄道輸送網と並走している。貨物列車は深夜でも大きな汽笛を鳴らしまくっているので、このレストエリア内でも遠くからサイレンの様にずっと聞こえていた。
レストエリア内に停車していたのは大きなトレーラーが1台。アイドリングしていて多分ドライバーは寝ているのだろうと思った。
また灯は妙に赤みがかったナトリウムランプのようなものが幾つか有るのみ。時折通過する車のハイビームが異常に大きな影を作っていく。というのも、このレストエリアは下りと上りの謂わば中央分離帯に無理やり作られるような格好で存在するので、、常に車の光にさらされることになる。
真夏の夜、メキシコ国境線からすぐの砂漠地帯。ハエがブンブン言いながら妙な汽笛の音と混じり、ナトリウムランプの光に群がっていて、時たまハイビームで照らされたポールか何かの影がボーッと現れるこの恐怖。便所は巨大なボットン。(4sqに画像あり)
流石にヤバいと思ったレストエリアでした。
正直この辺りで飯食って寝ようと思っていたのですが、あまりにも怖かったのでアリゾナまで逃げることに決めました…
それ以降の記憶はもはや曖昧である。しかし何となくだが、アリゾナ州に入ったところで、最初のシェブロンが異常に安く、また店員もいい人だったのでアリゾナの好感度が一気に上がった瞬間だったことだけは覚えている。そして念願のアリゾナティーを買った。
そして深夜2時ほどに、猛烈な豪雨に突然見まわれ、途中の謎の小さなレストエリアと思しき地点で力尽きる。
この場所は眺めも良くまた車も多く、貨物列車の軋む音を聞きながら泥のように眠った。
とにかく、この3日目はサンフランシスコちょい超えた辺りから出発してロサンゼルス
を徘徊、サンディエゴを経由しアリゾナのレストエリアまでのおよそ650マイル。
今考えると1人でよく出来たな、とつくづく思う。
3日目結果:
総走行距離 約650マイル(1040キロ)
走行時間 10時間以上