2013年アイルランド→トルコの旅その2 『ケルズの書』にお目見えする
『ケルズの書』について
その名の通りケルズの本で、アイルランドのケルズ修道院で作られた聖書の写本です。
現在はアイルランドの国宝に指定されていますが、その理由はとにかくこの本が豪華な事。世界でもっとも美しい本と言われています。
豪華な本ということで、やたら装飾に拘っているのはコーランの方という印象を持ちますが、この聖書の写本はとにかく書き込みの密度がハンパない。
8世紀のこの本はラテン語で書かれており、初期の古ラテン語聖書の一つとされています。そのラテン語の文字の行間を埋めるかのごとく、無数の精緻な絵が描かれているわけですが、そのサイズもなかなかなもので33cm×24cm。驚くべき事に、海外のメーカーが作った完全再現レプリカ本が日本だと200万円越えだったとか。
内容は典礼用の福音書で、マタイ・マルコ・ルカ・ヨハネの福音書が収められています。
当に幻書中の幻書という訳です。
ダンタリアンの書架8<ダンタリアンの書架> (角川スニーカー文庫)
- 作者: 三雲岳斗
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Book of Kells from Trinity College Dublin on Vimeo.
展示エリアの様子はこちらから。かなりこじんまりとしています。
↑ケルズの書、展示コーナーに入る直前、ギリギリ写真撮影が許された最後のエリアの写真です。御覧の通り、ぶっれぶれ。これは筆者が禁断症状で痙攣していた訳ではなく、『ケルズの書』展示室が原書を保護のため非常に薄暗く、明るく撮るためシャッタースピードが長くなってしまったため。
展示室には、ケルズの書の様々なページを拡大したポスターがそこら中に貼ってあり、肝心の『ケルズの書』はさながら宝物(実際に国宝)のように専用の部屋の中央に鎮座しており、一番有名なページが開かれた状態で置いてありました。
神々しいとは当にこのこと。かなり荘厳な雰囲気なので、これは行かないと味わえません。
オリジナルはネットで完全公開されている
情報公開、市民への知へのアクセスが極めて寛容容易な北ヨーロッパらしく、この『ケルズの書』は高解像度で大学が公開しています。
スターウォーズの元ネタにもなった『ロングルーム』
ザ・ロングルーム。『ケルズの書』展示エリアの2階はこんな感じになっています。
『スター・ウォーズ』EP2のジェダイアーカイブのモデルとなった事で有名な、トリニティ・カレッジ図書館。
両面の書架におびただしい数の本が収納されており、それぞれのカラムには歴史上の大哲学者の胸像が鎮座しています。プラトンとかアリストテレスとかヴォルテールとか。
そんなに広くないですが、お金を払ってまで見る価値は十分にあると思います。
柵で仕切られているので、本を手にとって読むことは出来ませんが中央のガラスケースに貴重な史資料が収められており、歴史や文学を専攻しているならきっと楽しめるハズ。徳の高い空間です。
もちろん、本を閲覧できる地位の人々もいます。
「知識は力なり」(Ipsa scientia potestas est)
フランシス・ベーコンさん
ホメロス
ずらっと
キケロ
2階には上がれませんでした。
土産物屋がすげえ楽しい
もしかしたら、この『トリニティ・カレッジ図書館』で一番楽しいのはお土産物屋さんかもしれません。
『ケルズの書』レプリカの大量の関連グッズに始まり、大量のケルト民族アクセサリーや小物
直接は関係無さそうなアクセサリーやポストカード
これは可愛かった!トリニティ・カレッジの学生テディベア。
『ケルズの書』と並んでこの図書館に収められている重要な『ダロウの書』
のレプリカポスター。
1500年近く前の書物なのに、かなりぶっ飛んだ色使いと空間の描き方は恐るべきです。
ケルズの書の曼荼羅的な巨大ポスター(12.95ユーロ)。
こうしてみると、原初の教会作品はなんだか仏教アートに通ずるものがあるのだなあとしみじみ感じます。
ケルズの書拡大ポスター、などかなりの品揃えで見ているだけでも楽しいです。
正直、『ケルズの書』展示室よりもこのお土産屋の方が混雑しているように感じました。
ということでトリニティ・カレッジと『ケルズの書』、ダブリンに行くならオススメ度極めて高い場所でした。
あまり時間なかったのでそこまで見てないですが、大学内には他にも沢山展示物があった、はず。ダブリン大学の創設はエリザベス1世まで遡るそうです。
ダブリンがかなり過ごしやすい件
夕日に照らされる、今回宿泊したホテル。
お洒落すぎ。
ちなみに、ダブリンは季節相応の寒さでしたが雨はほとんど降らず、比較的晴れ間も多く過ごしやすい天気でした。ロンドンよりは全然良さそうです。
今回の滞在でダブリンはかなり高感度上がったくらいです。
この時期(11月)でも湿度は80%で最高気温も10度代まであったりと、そんなに寒いわけでも無さそう。冬服で全然快適に過ごせそうです。