2015年南米横断記その19:イグアスの滝→(飛行機乗り過ごし)→リオデジャネイロ
朝
結局、かなりの手間隙かけてアルゼンチン側のイグアスの滝までわざわざサンパウロから来た訳だが、スケジュールを詰めすぎていたため「アルゼンチン滞在時間約24時間」というかなりアホな事態に陥った我々。何に生き急いでるのか、度々考えたりもしたが、もう帰国の飛行機の日付はフィクスだったので(2日後とか)、我々は考えるのをやめた!!!
間抜けにも昨晩の残り物を適当に喰らいつつ、ホステル脱出の準備を進める。土産物を買う暇などあるわけが無く、ただただイグアスからリオまでの飛行機を心配する。
ちなみにここ
今回のプランの厳しい箇所は、宿から空港へ向かうのに国境をまたぐ必要があるという点。しかもフライトの時間は昼。距離的にはそう遠くはないはずだが、本当に大丈夫なのだろうか、という大きな不安が常に付きまとっていた。
加えて、昨晩ホステルで自炊した際に酒(ビールワイン)を飲みすぎてしまい、普通に二日酔い状態で正直思考力も無いに等しい状況だった。そして、実際に事は起きるわけであるが、ひとまず空港までの経緯を紹介したい。
アルゼンチン側のイグアスの町のバスターミナルから、来たときと同じ種類のローカルバスに乗る。こちらのバスは比較的頻繁に来ているようで、普通に乗車。
乗っていると間もなく国境に到着。来た時と同じように下車するが、今回通るのはアルゼンチン側のゲート。来たときはブラジル側だったので、また微妙に違う雰囲気を味わう。さらに、今回はなんとバスが我々が審査が終わるまで待ってくれていた。X線で荷物検査もあったりと物騒だったが、比較的すんなりと通過。ほどなく来た時と同じブラジル側の町のバスターミナルにつく。
国境付近の光景。まさに夏真っ盛りといった感じで非常にほのぼのとしている。
後々考えると、こんな写真を撮っている場合ではなかったのだが、この時はそんなこと知る由もなかったのだ。とにかく田舎。
話をブラジルのバスターミナルに戻すと、ここで我々は決断を下さなければならなかった。
プラン1は、時間はかかるが圧倒的に安い、バスに乗って空港まで行くルート。時刻表の上では間に合うし、20分くらいなら遅れても大丈夫そうだ。それにブラジルレアルが結構高く、手持ちが心細くなってきたというのも事実。何とかなりそう。
プラン2は、とにかく慎重を期してタクシーに乗って空港までひとっとび。金はとにかくかかるが間違いないし、楽。でもバスでも間に合いそうだしー。
ここで我々は大きな過ちを犯してしまう。慢心・二日酔い・バックパッカーだし、という適当な理由で愚かにもローカルバスを選択。初めてのるバスで、しかも町の交通事情も完全に無知。どれだけバス停があるのかも知らず、めちゃくちゃ混んでいるバスに乗ってしまった。結局、1時間ほど重い荷物を背負いながら、非常に渋滞したブラジルの地方都市の道で修行のようにつらい悶々とした時間を過ごすこととなる。
案の定
けっっっっっつつつつきょく、30分程遅れて空港に到着。出国の列も非常に混んでおり、おとなしく並ぶところがまた慢心・優柔不断などの現れ。受付にたどり着くころには青ざめる職員。最悪の瞬間であった。すんでのところで、クロージング。出発までまだ幾分か時間はあったが、首を縦に振らない職員。しょりゃそうだ・・・しかしここでおとなしくもできないということで、かなり無様な気分でなんとか相談したところ、次のフライトに追加5000円ほどで乗せてくれるとのこと。有り難き幸せ・・・この時はマジでブラジル人に人生で一番感謝した瞬間であった。
無様すぎる飛行機乗り過ごしを達成した我々は、待合所でひたすら不貞腐れる。次のフライトまで4時間ほどあったため、予定していたリオデジャネイロ観光はオールキャンセル。各々、達観した時間を過ごすことにする。しかも、外は超ド級の南半球快晴だったにもかかわらず、鬼のように冷房の効いたロビーから物理的に出ることが出来なかった。俺はというと仕方なく、南米旅行の共にと図書館で借りた『緑の家』を熟読。
長大かつ難解な小説だったが、無様な状況下で読むと意外と頭に良くストーリーが入ってくるなと感心しながら一気に数百ページ読み進める。だが二度と読める気はしない。南米のジャングルにいたからこそここまで読めたのだと思う。
冷房冷えが限界に達しそうになるころ、ようやくリオデジャネイロ行きの飛行機が到着する。エアラインはこれ、ブラジルの新しめの航空会社Azul。全体的にかっこいい。
しかも残念なことに、本便は直行ではなく途中で一回乗り換えの必要がある。
それがここ。残念ながら空港の名前は忘れたが、非常に巨大でモダンな空港ビルが印象的だった。
んで、光り輝くキリスト像が見えるリオデジャネイロに到着したのは夜の10時ほど。かなり美しいリオデジャネイロの夜景を見れたのは嬉しい誤算だったのかもしれない。空港の外に出た瞬間、肌を通じてビシビシ感じるあからさまなヤバい海風を感じながら、そそくさとタクシーに乗り込む。今考えると阿呆の極みだがリオデジャネイロでは一泊のみ。今回の旅最後となるホテルとして選んだのは、にわか程度の知識で妙な憧憬を抱いていたイパネマ、コパカバーナ海岸沿いの四つ星ホテル。
たどり着いてみるとなるほどどうして、明らかにヤバい雰囲気でシティオブゴッドなアトモスフィアなキッズたちが往来を闊歩している。深夜などは関係なく、オフライセンスな店は開いているし、なんならホテルのフロントもどす黒い空気を纏ったブラジル紳士だったことも付け加えておかなければならない。
深夜でやばい雰囲気だろうがなんだろうが、とにかく冷蔵庫のミニバーを飲むほど疲れたはなかったので、少し外をプラプラしてみる。地下鉄の入り口の場所などを確認したのち、水を購入してもどる。途中、明らかに暗くてヤバい通りも何本もあり、大いなる恐怖を味わいつつも、少しだけリオデジャネイロ観光したしいいだろう、と勝手に納得する。
ちなみにこのホテル、ネットは有料。翌日、キリスト像を見に行くためにはどうしてもオンライン予約が必要だったので、これのためにわざわざ金を払う。
わざわざ『イパネマの娘』をYOUTUBEで検索しながら就寝。
飛行機乗り過ごしはこれで人生2回目。つらい。