2013年アメリカ1周9日目前篇:ペンシルベニア州シダーリングヒル〜オハイオ州デイトン【国立アメリカ空軍博物館】
ずいぶん長いようでたった1週間しかかからなかったアメリカ大陸横断、本日より遂に復路に突入です。
9.11翌日にニューヨーク街歩きを敢行し、その後脱兎の如くマンハッタンを脱出、深夜に名も知らぬペンシルベニア州の田舎レストエリアで沈むまでが前日のハイライト。
それでは見て行きましょう。
朝
眩しい陽の光で目覚める。愛車・マーキュリー号はスモークを張って無くカーテンなど遮光装備も無かったので、晩夏の朝日が目に痛い。とは言うものの、快眠できて嬉しい。
早朝のレストエリアは大抵こんな感じ。この程度の人口密度が、犯罪抑止的にも孤高の旅的にも丁度いい気がします。そこまでワイルドでもないので。
昨晩の到着時には暗くてよく分からなかったが、ここはレストエリアと言うよりかは日本のサービスエリアに近く、デカい建物があり中にファストフード店が入ってたりしてた。
また写真の様に、朝早くから地元のオッサンが野菜を並べてファーマーズマーケットを開いていたりと、今までの南部レストエリアとは大分違う印象を受けた。流石「ペンの森」ことペンシルベニア。住民レベルの高さを感じる。
本日の予定経路
とりあえず西に真っ直ぐ行って「アメリカ空軍博物館」を目指す。
本当に一直線に約6時間。飛ばせばもっと早く着く(当たり前)
適当に身支度をし、出発。程なく、やけに瀟洒な街に差し掛かる。やたらと綺麗な町並みだったので、車窓から激写。
と思ったら突然の激しい雨。お天気雨は楽しい。これのお陰で洗車いらず。
すぐ晴れる。この街はやたらと「黄色い」なあーと思っていると、標識からこの街が「ピッツバーグ」であることが判明。どおりで見覚えがあるわけだ。
でっかいスタジアムもあるし、とにかく街の外観が綺麗。
川に挟まれた街、ピッツバーグ。橋の色も黄色。後で調べた所、街のイメージカラーが黄色だった。
オーストリア帝国旗みたいでかっこいい。時間があったら次回は是非行ってみたい街。
ペンシルベニア州の西端、ピッツバーグを通過後はしばらく森が続く。
オハイオ州も基本的に田舎。
と、前方に「oversize load」。主要フリーウェイだと結構目にする光景です。
今回はなんとでっかい羽。
遅いからどんどん近づいてくる「羽」
うおおおおおおおおおおおお!!!でかい!!!
おおおおおおおおおお
風力発電用の羽をここまで間近で見ることが出来るのもアメリカならでは。
昼 National Museum of the US Air Force (NMUSAF)
そうこうしているうちに(結構色々あった)、本日の目的地「国立アメリカ空軍博物館」に到着。アホみたいにデカいライト・パターソン空軍基地に隣接していて、アホみたいにデカい敷地の中にアホみたいにデカい建物があります。
国立アメリカ空軍博物館への行き方ですが、I-70でコロンバスを通り過ぎ、Exit41で降りてデイトン市街地へ向かいます。そこそこ普通の街ですがライト・パターソン空軍基地が極めて巨大なので直ぐにたどり着くかと。基本的に一本道。
国立アメリカ空軍博物館とは、
国立アメリカ空軍博物館は、アメリカ空軍の公式なアメリカ合衆国立博物館である。かつてはアメリカ空軍博物館と呼ばれていた。オハイオ州デイトンの真東、リバーサイドのライト・パターソン空軍基地にある。400以上の航空機及びミサイルを展示しており、そのほとんどが屋内に展示されている。入場は無料である。(wiki)
入ってまず目に飛び込んでくるのが飛行機黄金時代。思いっきり飛行船が浮いてます(笑)
WW1の綺麗な迷彩のドイツ機。普通に柄としてアリですね。
その他にも日本じゃ絶対に知ることのできないような面白い機体が大量に陳列されているので、第一世代の飛行機を見るだけでも1日かかりそうな勢い。
写真が物凄く多いので、詳しい機体の解説とかはこちらにあります(予定)
1/1ジオラマの凄さ
そしてこの博物館最大の特徴は何と言ってもジオラマの多さ!!!
この再現力の高さは、地球上最高レベルなのではないでしょうか!!
「お前はクビだ!!!」
「2つで十分ですよ!!わかって下さいよ!!」
それもその筈、すべて1/1の実機を用いて様々な情景を再現しているのです!!1!!
人間は全て蝋人形!アメリカは海軍も空軍も蝋人形大好きすぎる。
こちらおフランスの出現前情景。
「調子どうよ?」「昨日のワイン旨かったな」
「頼んだよドゥーリトル君。帰ったらスコッチをやろう」
「任せて下さい大佐」
歴史的名シーンも再現されている。あの超有名な「ドゥーリトル東京爆撃」のまさに出現シーンを空母のデッキとカタパルトまで再現!そこまで普通やるか!?!?レベル
雪の再現だってお手の物!!石畳だってぬかり無いぞ!
※繰り返しますが1/1実機を用いたジオラマです
飛行機の全く関係ないホロコースト問題にも全力で展示してあり、歴史を全て学べる。
実物大飛行機だけが展示じゃない。新聞や細かい紙の資料まで、相手を徹底的に論破するが如くの鬼の収集力!
完璧な状態のゼロ戦も。
綺麗にレストアされて今にも動き出しそうなゼロ戦。今まで見たゼロ戦で一番綺麗だったかも。
勿論ヨーロッパ機も充実!
イタリアのオシャレ番長・マッキ先輩!!
上からだけでなく下からの展示も充実。ドイツのアハトアハト!
恐ろしくポップで現代的なノーズアートも楽しめる。かわいい。
こちらなんとFw190Dのエンジニア情景ジオラマでスケルトン仕様という超豪華な展示内容。プロモデラーの夢が完全に実現した瞬間でもある。
こんなにカッコいいスプリット迷彩だったのか?V2ロケットも突然出現する。
もはや飛行機が完全に出てこないジオラマもある。この博物館作った人ってただの情景モデラー…(ry
オハイオ州の空軍基地内だけど南国ビーチだって完全再現するぜ!
白浜にヤシの木で上裸男。見てるだけでビールが飲みたくなるジオラマ。
負の遺産
勿論博物館としてやるべきことはやっている。
「武運長久」
「エノラ・ゲイ」に続き有名な飛行機「ボックスカー」の実機。
言うまでもなく綺麗。ピカピカ。
「ボックスカー」のノーズアート。近代的なビルが立ち並ぶソルトレークシティーから車輪と羽が付いた「小屋」が、エキゾチックな鳥居のある長崎を核攻撃する様子がポップに描かれている。さらにその上には、5人の「デブ」の影が書かれている。
「リトル・ボーイ」は想像以上に小さな印象を受ける。
説明文も、諸元や概要など最小限にとどまっている。
そして、綺麗な橙色に塗られたこの機体。
人類史上最悪の兵器の一つとして先ず挙げられる「桜花」。
アメリカの国立でしかも軍隊の博物館としては、比較的中立的な展示だったと思う。
歴史を解説するのは勿論だが、こと飛行機そのものの展示に関しては、言葉で説明する、というよりも「機体そのものを見てくれ」といような展示方法だった。基本的にほぼすべての機体は360度周りから見れる様になっている。
各国空軍の服が展示されていて、服装史の研究にも役に立ちそうな内容。
ブラジル空軍やメキシコ空軍などの珍しい軍服も展示されていた。
ちなみに日本は帝国海軍。
XB70
そして!最も期待していたXB70バルキリーはなんと!!!見学することが出来ませんでした!!!
バルキリーが格納されているハンガーには行くことが出来ず、学芸員のオバちゃんに聞いた所、国防総省の予算カットの波がここまで来ている、とのこと。
確かに、全米でブルーエンジェルスの展示飛行がキャンセルされたり横田基地の友好祭が無くなったりとアメリカ軍的には散々な1年だったので仕方ないといえば仕方ない…
来年には多分見れるよ!と言われたしまーいっか、と思い他の展示物に集中する。
と言っても、バルキリーの展示エリアにはYF23のブラック・ウィドウがあったりかなりレアな機体も多かったのも事実。さらに、今後の展示プランだとXB37も展示されるとかされないとか。アメリカの景気がまた悪くなる前に行った方がいい博物館No1ですね。
ちなみに、博物館の上の方にフードコートには各所にXB70があしらってあるデザインが施してあり、非常に意義深い空間になっている。眺望も良好で、ライト・パターソン空軍基地の滑走路も見えたりする。ここではホットドッグを購入。味は普通。値段は味の割に高い。
カフェテリアからの眺め。巨大なハンガーの支柱が並ぶ壮観。
勿論、随所に「バルキリー」を讃えた意匠を見ることが出来る。
こちらは見事な「バルキリー」切子ガラス。雲を上手く表現している。
廊下には、シンプルながらも印象的なバルキリーの写真が淡々と掛けられている。
非常に静か廊下なので、不思議な感覚を覚える。
次回、後編では朝鮮戦争以降の「現用機」中心に見学した内容をアップする予定です。
この博物館では、現用機のほうが充実しているのかもしれません。